すごいすと取材記

鹿工房Los Cazadores(ロス・カサドーレス)吉原剛史 さん(43) 兵庫県朝来市

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地域に根差した生業で、新たな生活モデルの実現を

平成26年4月、朝来市竹田地区の地域おこし協力隊員になった吉原さん。竹田地域の住民と力を合わせ、地元のあさごはんをふるまう食イベント「あさごはんの会」の開催や、地元住民と移住者たちによるまちづくりグループの立ち上げなど、平成29年3月に任期を終えるまでの3年間、様々な取り組みを行っていった。

「朝来の食」を通して交流を深める目的で行われたイベント「あさごはんの会in竹田」

「朝来の食」を通して交流を深める目的で行われたイベント「あさごはんの会in竹田」

中でも、いちばん最初に取り組んだのは、狩猟免許の取得だった。吉原さんが猟をする対象は主に鹿。崩れた生態系のせいで数が増えすぎた鹿を、獣害対策として狩猟。捕獲した鹿は、鹿肉加工施設「鹿工房Los Cazadores」で解体し、鹿肉の販売も行う。
「地元のフレンチレストランや、ふるさと納税の返礼品としても好評です。自然由来の健康食材として、新しい市場を開拓する可能性は大いにあると思っています」と話す吉原さん。この施設から広がる構想は、中山間地域ならではの「地域型社会」という生活モデルだ。

朝来市のふるさと納税の返礼品として提供されている「鹿工房Los Cazadores」の鹿肉のセット

朝来市のふるさと納税の返礼品として提供されている「鹿工房Los Cazadores」の鹿肉のセット

「猟師だけで食べていくことはできません。複数の生業を持って生計を立てていくことができないかと考えたんです。例えば、労働力が足りない地域の企業と、都会的な働き方から離れてきた移住者がいる。移住者は生業として農業に取り組みながら、収入の柱として企業にも勤める。そんなフレキシブルな働き方を、企業側からも後押しできたら。」
自らも、現在の狩猟・農業・イベントに加え、将来的には観光・宿泊も含めた複数の生業を興し、「地域型社会」のモデルになることを目指している。
「そのためにも、この鹿肉施設で雇用を生み出したい」という目標を掲げる吉原さんが今、力を注いでいること。それは吉原さん自身が「自分に与えられた使命」と言う、山の保全管理だ。

山の保全や獣害に関する講演会、地域課題に取り組むイベントのパネリストとしても活躍

山の保全や獣害に関する講演会、地域課題に取り組むイベントのパネリストとしても活躍

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