すごいすと取材記

播磨マリンクルー代表吉政静夫 さん(79) 兵庫県

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見て聞いて触って感じる高砂の海

高砂市内の全ての小学校で、2年生の授業の一環として実施されている「出前水族館」。ボランティアグループ「播磨マリンクルー」が提供する体験型プログラムだ。

代表の吉政さんが平成14年から、高砂の子どもたちに高砂沖の海の生き物に触れる機会を提供したいと始めたこの活動。現在は70歳代が中心のメンバー20名で活動に取り組む。小学校以外でも保育園や幼稚園、地域イベントなど各地へ出かけ、精力的にプログラムを展開している。

出前水族館

播磨マリンクルーの出前水族館は、海水を張った直径1メートルほどのたらいに、高砂沖の生き物を放し、子どもたちが直接触れるというもの。

マダコ、イイダコ、ハリイカ、アカエイ、アナゴ、ヒラメ、ヒトデ、ナマコ、ワタリガニなど、そのほとんどが当日の朝に高砂沖で捕れたものばかりだ。

子どもたちはおじいちゃんやおばあちゃんのようなメンバーに見守られながら、普段触ることのない生き物に触れる。

持ち上げた手に吸い付いてくるタコの吸盤に歓声を上げる子。エイを裏返し、おなか側についている鼻と口を興味深そうに見つめる子。ぬるぬると手をすり抜けるアナゴの持ち方を教わり、四苦八苦しながら何度も持ち上げてみようとする子。メンバー手作りの専用コースを横走りするカニのすばやさに熱狂する子――

「あちらこちらできゃーっと声が上がり、きらきらと目が輝く。体全体で喜びを表してくれるので見ていてこちらも楽しい」と吉政さんはにこにこ。

 

また、切り絵づくりや折り紙、音遊びなどの体験プログラムも一緒に実施される。

切り絵や折り紙は「海の生き物」がテーマ。目の前でメンバーが作るタコやカニを手本にして、たらいの中の実際の生き物も観察しながら、子ども達は作業を進める。うまく完成させるためには、細部にわたってその生き物の特徴を掴まなければいけない。そのため子どもたちは目を皿のようにして生き物を観察する。

折り紙や切り絵を楽しむ子どもたち

メンバーそれぞれの特技を活かして切り絵や折り紙などに取り組む。

貝殻を擦り合わせたり、耳にあてたりして音を楽しむ音遊びは、海の近くに育った昔の子どもならごく当たり前にしていた遊びだ。

メンバーたちの特技を生かしたこれらのプログラムは、子どもたちが五感を余すことなく使い、高砂の海やそこに生きる生物をより深く知るための工夫が凝らされている。

昔なら海辺で遊ぶことにより自然に体験できたことを、今の子どもたちに提供しているのがマリンクルーの活動だ。

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