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佐用との出逢い
平成24年3月。京阪神を中心とした社会人、大学生のグループVISITを結成。佐用町で活動しながら、通える田舎のある生活を続け、発信している。
きっかけは山崎亮の著書。
「住む人の心が動き、まちと関わるようになれば、地域は少しずつ変えていける」
佐用町は再び行ってみたいと思った所だった。
通いながら“関係人口”として、地域にかかわりたいと思った。
平成21年、兵庫県西・北部豪雨で21人の尊い命が失われた。今も、壁に爪痕が残る。災害復興は終わっていない。「微力でも、何かできる」
フェイスブックなどで呼びかけて、仲間ができた。月に2回、行ける者が行く。それぞれの出来ることを生かして、佐用町の魅力を発信する。
佐用の雑誌「VISCOM」
佐用のことを知りたくて、知ってほしくて、見つけたものを伝える雑誌「VISCOM」を作る。手にとって楽しい仕掛け本にした。
住んでいる人たちが気付かない、たくさんの宝物に出逢った。地元の人が見慣れた自然も、都会に住む私たちには、一つひとつが魅力的
取材を進めるうちに、肌で「地域」を感じるようになった。たくさんの人と繋がることができた。
Uターンした潤さん。家業の「揖保乃糸」とお茶を作っている。3年前は、私たちをいぶかしげに見ていたが、今では良き理解者だ。
VISCOMを発行し、地域との距離感や関係が可視化された。雑誌を作ることは、地域について考え関わるプロセスだと気付いた。
人とつながる
まち歩きをしていたら「ちょうど良いところに来た」とカメラを渡された。都会では、言葉を交わすことがない。佐用には知り合いがいっぱいできた。
「ふるさとづくり青年隊」の千種さんは、VISITの力強い応援団長。大学で配られた同隊のチラシを見て応募した水田さんは、この日が初参加
いつも立ち寄る無料観光案内所のおじいちゃん。定年退職後、自宅のガレージを改装した案内所で、笑顔と手作りの情報でおもてなし
水害の被害を蒙った農家を整備し農村カフェ「記憶」を運営。佐用町の魅力を「地産他消」したいという思いはVISITに通ずる。
VISITのメンバーと仲良しの小さな太公望。釣竿を持って佐用川に行ったら、5分で大きなナマズを釣り上げた。自然とともに暮らす少年に脱帽
未来のVISIT
月2回、日帰りの活動をはじめて2年目。家を貸してもらえるようになり「おさようハウス」と名付けた。2日間の滞在で、活動の幅が広がった。
昨年度から県の「ふるさとづくり青年隊」で活動。佐用で交流事業を企画した。
平成26年7月、夏の佐用町を楽しむフィールドワーク「はじめまして、おさようございますツアー」を行った。ガイドは、地元、江川地域のみなさん。
佐用町桑野で開催したお茶摘み体験には、県外からもたくさんの人が参加した。お茶と一緒に佐用の良さを味わってほしい。
都会に生まれ育った私たちには“田舎”がない。里山である佐用とつながり、将来、家庭を持った時に家族を連れて行きたい「ふるさと」ができた。
自然=田舎、バーコード=都会をイメージ。田舎を連想させる青緑と、都会の青を逆転させグラデーションにすることで、都会と地域が繋がるデザインした。
グループ紹介
VISITは、平成24年3月に誕生した、京阪神に住む社会人や大学生を中心としたグループ。兵庫県佐用町を舞台に、雑誌の刊行やイベントの企画を通して都市と地域のこれからの関係や、自分たちの将来について考える。平成26年度から兵庫県の「ふるさとづくり青年隊」の一員として、佐用町の魅力発信事業を担う団体として活動している。
※ふるさとづくり青年隊
「地元青年」と「他地域青年」で結成。地域の活性化や課題解決に取り組む団体等と連携して、ふるさとへの関心や地域貢献への関心を高め、地域づくりの核となる人材を育成する。
三好綾
1993年島根県生まれ香川県育ち。京都造形芸術大学情報デザイン学科4年生。デザインやコミュニケーションを専門に学ぶ。VISITでは主にデザインと写真を担当。
サンパキッジ・ピラヤー
1991年タイ・バンコク生まれ。2010年8月に来日し、京都在住。京都造形芸術大学情報デザイン学科に所属し、コミュニケーションデザインコースを専攻。個人や地域の特性を大切しながらお互いの共通点を見つけるための交流や情報発信に関わっている。現VISITデザイナー。
武田康幹
1991年生まれ。立命館大学およびAmerican University両大学に在籍。取り柄のパワフルな個性を活かしVISITメンバーを盛り上げるだけでなく本拠地佐用町でも町の人々とメンバーを繋げる役割。
尾竹花保里
1989年愛知生まれ。大学時代にVISITに参加、現在はフリーランスのPRプロデューサーとして愛知県にて活動。VISITにおいてはWeb関係の整備と雑務を担当する秘書的存在。
西田有輝
1988年大阪生まれ、2012年にVISITを結成。現在は社会人でありながら、京都造形芸術大学通信教育部空間演出デザイン学科に在籍中。「かよう田舎のある生活」を発信することで都市部と地域の新たな関係を探る。写真、デザイン、編集を統括するアートディレクター。
岡慧
1989年ニューヨーク生まれ兵庫県育ち。2012年に西田とともにVISITを結成。立命館大学にて学ぶ。Web関連の知識に長け、独特のアイディアで企画を行ってきた。現在はアメリカでWebの修行中にてVISITでの活動は休止中。
石躍凌摩
1993年大阪生まれ。大阪市立大学商学部中退。2013年9月よりVISITへ参加。言葉を担当している。2015年4月、季刊誌の植物図鑑「微花 kasuka」を代表の西田と創刊。
野口裕加
1993年兵庫県生まれ。龍谷大学政策学部政策学科四年生。NPOや市民団体、地域やまちづくり等の分野を専攻している。VISITでは広報を担当。