ぐるっと生瀬運行協議会
西宮市生瀬

運行はこうして始まった 〜地域住民の大きな力〜

『ぐるっと生瀬』が現在の形となるまでには、様々な試行錯誤があった。その原点ともいえる取り組みは、青葉台自治会の有志が立ち上がったことにより、平成21年1月から始まった。

マイカーでの運行、ボランティアによる運転、さらに運賃は無料という枠組みであったが、関係者にとっては大きな負担となった。そのため4ヵ月で継続を断念せざるを得なかった。

その後、地域公共交通アドバイザー(※)による指導及び西宮市の支援の下、コミュニティ交通についての勉強会や先進事例視察等を行い、徐々に見識と仲間を広げ、平成24年10月に、9自治会のうち、5自治会が協力し、2回目となる5日間の無料試験運転を行った。

その際にはアンケートを行い、住民から「有償でも利用したい」「(若者にとっても)荷物が多いときなどにはありがたい」などの声があがり、その後の運行に向けて大きく前進した。他方で、「乗り切れない人が発生したことがある」、「未参加の自治会があり、生瀬地区全体の取り組みとして共通理解・合意形成ができるのか」などといった問題も浮き彫りとなった。

そこで、まずは生瀬全体としてのまとまりを求め、目指す目標を、「坂の多い生瀬地域が、将来にわたって元気な地域であり続けること」とし、それを実現するための「ツールのひとつとして『ぐるっと生瀬』を運行する」という組み立てとした。コンセプトを進化させた結果として、9自治会すべての参加を得ることができた。

そして遂に…

平成25年4月に運行協議会準備会が発足し、新たに阪急タクシーをメンバーに加え、同年度及び平成26年度に有料での試験運転を経て、更なる改善を行った。そして、平成27年5月に運行の中心となる、『ぐるっと生瀬運行協議会』を設立。同年10月2日、ついに本格運行が始まった。ここに至るまでの苦労が報われ、出だしから好調。現在も増便が行われるなど運行は日々前進している。

忘れてはいけない大黒柱。それは、運転手さんだ。バス内には、より快適な『ぐる生LIFE』を提供しようと、様々な工夫が…!行き先を示すLED掲示板や情報提供用のコミュニティ板、ドアの手すり等々…まさに運転手さんの心意気だ。みんなの熱い想いを乗せ『ぐるっと生瀬』は今日も走っている。

単なる‘足’ではない〜3つの『繋ぐ』〜

①住民と安心を『繋ぐ』「もう坂道で転ばない!」

急な坂道でも、バスに乗れば安全。誰かの助けが必要だった住民も、自分1人で出かけられるようになった。

また、住民の乗ったバスが地域を周回することは、子供たちの見守り隊としての機能が期待できる。人の目がある、ということが犯罪予防にも繋がっている。

『ぐるっと生瀬』は住民により多くの安心を与えている。

②住民と生きがいを『繋ぐ』
「明日はバスでショッピング!」

『ぐるっと生瀬』の拠点は阪急宝塚駅。自宅近くのバス停で楽々乗車。駅に向かえば、たくさんの店、たくさんの商品があり、ショッピングを楽しむことができる。また、バス内では、新規店舗やセールなどの会話が弾む。「その情報を生かして、珍しい店やお気に入りのお店を発見したり、新商品を見つけたりするのがとっても楽しい」との声がある。

「バスの時間に合わせて、早起きしている。規則正しい生活リズムに繋がった」、「生活に張りが出た」などの声もある。

『ぐるっと生瀬』は、住民の生きがい発見に貢献している。

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