江川地域づくり協議会
佐用町江川地区

「地域の絆で走るバス、それが 江川ふれあい号」

「バスを利用することが、お互いのコミュニケーションになっています。」

月曜から金曜まで毎日運行するバスの運転手の一人、小林育男さんは楽しそうにそう話す。買い物をレジに残したままバスに乗ったり、銀行で下ろしたお金を窓口に忘れて来たり、病院でもらった薬を車内に忘れて下車した人を追いかけたり、エピソードには事欠かない。

「家族の運転する車に、安心して乗っているような気持ちなんでしょう。名前を聞けば、どの地域のどこの家に住んでいる人かわかります。バスの利用がない人のことを気遣ったり、一人暮らしの高齢者の見守り役も果たしています。」と笑う小林さん。

そんな江川ふれあい号の魅力を木村会長は「受付役も、配車の世話係も、運転手も、みんな江川の仲間。信頼と地域の絆で走っているバスなんです。」と表現する。

地域の人を乗せ、地域の人の手で、地域の中をバスが走る。地域交通とは、住民の足代わりになる便利なシステムだけではない。バスの運行が、そのまま地域でのコミュニティづくりに繋がっているのだ。
その一方、課題もある。一つは、20人を数える日もあった運行当初に比べ、元気な高齢者の減少により6人~7人に減ってしまった利用者を増やすこと。もう一つは、70代を中心に8人の有償ボランティアが務める現在の運転業務を、引き継いでくれる若手運転手を探すことだ。

「バスがあるから運転免許の自主返納ができるという人や、いつまでも運行を続けてほしいと頼んでこられる人もたくさんいます。みんなからの『ありがとう』の言葉を聞くと、バスの運行を終わらせるわけにはいきません。」と小林さんは言葉に力を込める。

コミュニティバスの運行を中心に、協議会が取り組む様々な活動。そのキーワードは地域の「絆」と「資源」だ。

 

バスの運行が、地域でのコミュニティづくりに繋がっている。

バスの運行が、地域でのコミュニティづくりに繋がっている。

「心の触れ合いと豊かな自然が活動資源」

公民館活動から続く「ふれあい喫茶」。高齢者の居場所づくりに加え、地域住民の絆を育む場として、毎月第3日曜に江川文化センターで開かれている。さらに平成21年からは県の県民交流広場事業として、毎月1日に江川ふれあいホールで「喫茶 ほっとえかわ」を開催。どちらも毎回25人〜30人の住民が参加するという。

「情報交換会みたいなもの。にぎやかですよ」と木村会長。
「仲間とゆっくり触れ合えるのが、毎月の楽しみになっています」と小林さん。

 

ふれあい喫茶

毎月1日に江川ふれあいホールで「喫茶 ほっとえかわ」が開催されている。

 

「ふれあい喫茶」は当番制による運営。
「喫茶 ほっとえかわ」は各集落の女性有償ボランティアたちが、柏餅や塩見饅頭といった手づくりのお菓子でもてなしている。

 

喫茶 ほっとえかわ

「喫茶 ほっとえかわ」は女性ボランティアたちが、柏餅や 塩見饅頭といった手づくりのお菓子でもてなしている。

 

一方、地域資源の活用にも積極的だ。交流広場部会の活動の一つである栗部会では、かつてはアメリカへ輸出していたという江川地域の特産品「江川栗」を復活させようと、平成23年から6次産業(*)として生産・販売に着手。
各集落で収穫した年間およそ1.4トン〜1.5トンの栗を使い、佐用町内をはじめ近隣地域でのイベントや野菜の直売所などで、焼き栗の実演販売を年間およそ25回ほど行っている。

「最近では『楽しみにしていました』『今度はいつ来るの?』と声がかかるほど人気が出はじめ、地域に利益を還元できるまでになりました。」と話すのは、まちづくり文化部会部長兼栗部会会長の岡本憲一さん。
地元の小中学校の給食に生栗の提供も行っており、「自分たちの地元には栗という特産品があることを、子どもたちに知って欲しい。出荷には手間がかかりますが、『栗ご飯だ!』と子どもたちが喜んでくれるので頑張っています。」

一方、もう一つの江川の資源が「歴史文化」。地域に残されている歴史的価値のある史跡を活かし、9年間取り組み続けているイベントがある。

*6次産業:農畜産物・水産物の生産だけでなく、加工・流通・販売にも農業者が中心となって関わることで、農業の活性化を図るもの

 

江川地域の特産品「江川栗」
焼き栗の実演販売をイベントなどで年間およそ25回ほど 行っている。

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