真野地区まちづくり推進会
神戸市長田区

50年前から始まった真野のまちづくり

昭和40年代初めから全国規模で問題となった公害。
ひどい大気汚染により、真野小学校児童の4割にぜんそく症状が出るなど、真野地区の人々を苦しめていた。
住民たちは神戸市への陳情や企業との交渉を重ね、周囲の工場の移転を実現。10年の歳月をかけ公害追放を実現した。
「これをきっかけに、自分たちのまちを自分たちの手で良くするための活動が始まりました。」と清水光久事務局次長は語る。

まちに草花を植えたり、工場跡地を公園にするといった緑化活動や、ボランティア組織による高齢者への入浴や給食サービスなど、公害追放運動から15年余りにわたる先駆的なまちづくり活動が進む中、昭和55年には「20年後をめざす将来像 真野まちづくり構想」を作成。その実現のための組織として発足したのが「真野地区まちづくり推進会」だ。

地域連携のまとめ役、真野地区まちづくり推進会の誕生

現在の推進会のメンバーはおよそ70人。役員30人には地区の16人の自治会長をはじめ、企業、学校も名を連ね、地域一体となってまちづくりに取り組む組織だ。

主な活動は、住宅の建築確認や空き地の活用、区画整理などに関しての相談や決定。
また、まちづくり活動の事務局として、県内外からの視察の受け入れや、JICA(*)の研修生支援、立命館大学の学生たちによる地域学習の調整役も担う。
さらに、年4回の広報紙の発行や、SNSを使った地域情報の発信も大切な役割だ。

推進会の活動で最も特徴的なのは、地区の諸団体が取り組む事業全般において、協議や相談の窓口を果たすことで、全体を俯瞰的に捉えたまちづくり計画を推し進めていることだ。それを中村博文副代表は「真野地区まちづくりの根っこ」と表現する。
「私たちはどんな行事の運営も、すべて住民による実行委員会を組織します。推進会は、ふれまちや防コミ、諸団体がひとつになって取り組むための調整役を務めているんです。」
発足から15年、真野地区ならではのまちづくりが着々と形作られていた中、平成7年1月17日午前5時46分。真野のまちと人々を阪神・淡路大震災が襲った。

*JICA(ジャイカ・Japan International Cooperation Agency):(独法)国際協力機構。外務省所管の独立行政法人で、海外の開発途上地域に対し技術援助や資金供与などを行ない、その地域の発展に協力する。

 

JICAの研修

真野地区で行われたJICAの研修の様子

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