NPO法人あぼしまちコミュニケーション
姫路市網干区

地域みんなの気持ちがひとつになった「網干かき祭り」

利根さんは初めての「姫路とれとれ市網干かき祭り&ふれあいフェスティバル(以下、網干かき祭り)」が、NPO法人として活動を続けていく上での、大きな転機だったと振り返る。
「網干地区全体で取り組むイベントをしよう」 そんな呼びかけで始まったのが、「網干かき祭り」だ。
自治会をはじめ地元の漁業・農業関係者、姫路食文化協会などによる出店や、地域の幼稚園、小学校、有志団体による舞台パフォーマンスなど、様々な人や団体が参加するイベントだ。
8回目を迎えた令和2年2月の開催時には、2万人の来場者を記録した。あぼしまちコミュニケーションの中心的な取組のひとつになっている。
今でこそ、姫路市のイベントとしても定着した網干かき祭りだが、1回目の開催は苦労の連続だった。
「予算交渉に市へ出向いたときも、複数の自治会がひとつの行事に一緒に取り組む前例がないので、事業として検討できないと断られたんです。
話し合いを重ねようやく承認されると、何をどう準備すればいいのかわからない。警察・消防・行政関係との調整、駐車場の確保や警備の手配に奔走。
当日の参加者はせいぜい2千~3千人だろうという予想を、大幅に上回る1万5千人が来場し、駐車場も足りず何キロメートルも渋滞。
警察からお叱りをいただいてしまいました。イベントを楽しむ余裕もなく、地域のために始めたことが、地域みんなの大きな負担になってしまったんです。」と利根さんは言う。
しかし「もうやめよう」と口にする人は、誰もいなかったという。
「来年は企業の駐車場を借りよう、警備は専門会社に依頼しようなど、全員が次へつなぐための解決の道を探っていました。もしあの時、『こんなに負担の大きなことはやめてしまおう』と誰かが拒否していたら、あぼしまちコミュニケーションの進む方向が変わっていたかもしれません。」
「網干かき祭りを続けよう」 みんなの気持ちがひとつになったことが、その後の地域づくりの大きな後押しになったと話す利根さん。
「勢川理事長をはじめとするリーダーたちのけん引力と、自治会が持つ地元ならではのネットワーク力が下支えになったんです。」 そこには自治会が母体となって立ち上がったNPO法人が持つ、地域自治の力が生きていた。

 

様々な人や団体が参加する「姫路とれとれ市網干かき祭り&ふれあいフェスティバル」

様々な人や団体が参加する「姫路とれとれ市網干かき祭り&ふれあいフェスティバル」

1 2 3 4 5