NPO 法人More 繁盛
宍粟市一宮町繁盛地区

「繁盛(はんせ)」という地名こそ、私たちの宝物

「この地域には、観光資源になるような特別なものは何もありません。あるもので勝負しようと最もオリジナルなものを探したら、地名がありました。『繁盛』という地区の名前は、廃校になった旧小学校と郵便局にしか残っていません。繁盛村として栄えた縁起のいい地名を、ブランドとして浸透させようと思いました。」
そう語る石本さんがブランド化の先に目指すのは、観光拠点としての繁盛地域だ。
「すでに多くの観光客を誘致している姫路や朝来、京都府伊根町などの地域と連携し、相互に観光客が移動する仕組みをつくりたい。周辺地域の観光名所へのハブ(経由の中心地)として、繁盛地区を位置付けたいと思っています。」と言葉をつづけた。
その取組の一環として進めているのが、観光拠点を視野に入れたゲストハウス繁盛校のオープンだ。More繁盛が活動拠点としている旧小学校を、地域住民同士や、繁盛地区を訪れる人と地元の住民たちが気軽に交流できる空間になるように、宿泊機能に加え、里山レストランやコミュニティバー、喫茶や図書室も併設してリニューアル。もてなしと集いの場として、令和3年春のオープンを目指し準備が進められている。このゲストハウスの改修費として、令和2年12月22日から令和3年3月1日までクラウドファンディングにも挑戦中だ。
「旧小学校跡が様々な活動の場になって欲しい。田植えや稲刈り体験にやって来た都市部の人の、食事や宿泊の場所としてだけでなく、高齢者をはじめ地域住民が集える活動拠点になって欲しい。」と話す福原さんの言葉通り、活動拠点としての旧小学校のリニューアルを喜ぶ人たちがいる。

 

桑茶

ボランティアも参加し、摘み立ての葉を手もみで製茶する特産の「桑茶」


「More繁盛のためなら!」
地域住民の心がひとつになっていく

「過疎化が進み、地域の住民が少なくなっていく中、『みんなで集まれる場所ができる』と、喜びの声をいただくんです。『イベントはないの?』って、楽しみに待っている人もいるんです。」とMore繁盛の理事の一人、中尾美恵子さんは言う。
米田さんは「活動を始めた当初は『何を始めたんや?』と、遠巻きに見ている人がほとんどでした。協力隊員を中心に作成した『かわら版』を地域に配布したり、インターネットで発信するなど、地域内外にMore繁盛を知ってもらう努力を重ねてきました。今では名前を告げれば『あぁ、More繁盛さんですね』とわかってもらえるようになりました。」と、地域に浸透してきたことを感じると言う。 一方、梶浦さんは地域の変化として、活動への参加者が増えたことを挙げる。
「竹を切りたいと言えば、『More繁盛の活動だから』と道具を持って集まってくれるなど、依頼するたびにみんなが快く動いてくれるようになりました。人情味にあふれる人の多さと連帯意識の強さが、地域の活性化のために活かされるようになってきました。今までやってきたことが、成果として地域に浸透してきたからではないかと思うんです。私自身が1~2年で消滅してしまうのではないかと思っていた活動ですが、これまで継続できていることは大きな実績です。」
米田さんも「『喜んで手伝うよ』と言ってくれるのが一番うれしい。地域の人の協力を得られるかどうかもわからないまま事業を行っていた当初は、不安しかありませんでした。一つの事業を終えるたびに、安心と『やってよかった』という気持ちを少しずつ積み重ねながら続けてきました。」と話す。
こうしたMore繁盛の活動の成果は、地域の内と外にいる人がバランス良く関わり合っていることにあると石本さんは言う。

 

繁盛米づくり体験

昔ながらの田植えを体験する参加者

繁盛米づくり体験の草取りのあとに参加者と流しそうめんを行った

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