しんぐうNext
たつの市新宮町

人と人がつながって、まちが元気になってゆく

初めての活動は立ち上げから半年後の平成30年2月、0歳から3歳までの親子を対象にした「子育て交流フェスタ」だった。
「お母さんたちが、こういう場を欲していることを痛感しました。」と、しんぐうNextの顧問を務める木南裕樹さんが言葉に力を込めるほど、多くの親子連れが参加。新宮町の施設の協力の元、親子ヨガ、紙芝居といったプログラムや段ボール遊びを子どもたちが楽しんだ。
さらにその年の夏には、夏休みの約40日間を「まちあそび期間」に設定し、様々な体験プログラムを提供する「しんぐう☆まちあそび」を開催した。

このイベントをきっかけに生まれたのが、「しんぐうマイスター」と名付けた協力者たちだ。地元の大人たちが指導者(マイスター)となり、子どもたちに様々な体験を提供する。例えば、居酒屋のマスターが料理教室を、ケーキ店のパティシエが洋菓子づくり体験を、カブトムシの飼育を趣味にしている人が昆虫とのふれあい体験を、というように様々な「マイスター」がボランティアで参加し、イベントを盛り上げた。
「マイスターやボランティアスタッフなど、協力者をどうやって増やすのか、どうしたら興味を持ってもらえるのかを常に考えていた。」という石井さん。人に会いに行ったり話を聴きに出かけたり、様々なイベントの見学に出向いては、その場にいる人たちに声をかけ、しんぐうNextの活動を知らせ続けたという。
令和元年には、それぞれ2回目のイベントを開催。
令和2年は新型コロナウイルス感染拡大予防のため、中止や延期を余儀なくされた中、一生に一回きりのその時期、その瞬間を大切にしてほしいと、「しんぐう☆ちょこっと☆まちあそび」を企画。7月から12月まで月に一度、小さなイベントを開き続けた。
こうしたイベント活動によるまちの活性化と共に、若い世代によるまちの未来づくりを思い描いていたしんぐうNext。その想いが具体化に向かうきっかけが生まれたのは、一人の高校生との出会いだった。

 

学校で学べないことは、地域が担う!

「新宮町で、ロードレースのイベントを開いてみたいんです。」
石井さんの元を、高校2年生の男子学生が訪ねてきたのは令和元年の冬のこと。広報紙に掲載された石井さんとたつの市長との対談記事の中の「高校生たちの若い力を、まちづくりに巻き込んでいこう」という話題に共感し、話を聴いてもらおうとやってきたのだ。彼の母親である井上梨津子さんも、この出会いをきっかけにしんぐうNextのメンバーに加わった一人だ。「息子の想いを受け入れ、聴いてくださる場があったことで救われました。」と話す。

「何かやりたいことができた時、まず最初に声をかけてもらえる団体になりたいと思っていたので、相談に来てくれたことがめちゃくちゃうれしかった。」と言う石井さん。ロードレースはまだ実現していないが、彼との出会いで気付いたのは、しんぐうNextが若い世代の気持ちを、大人たちに届ける立場でいることの大切さだったと話す。
「やりたいことを声に出せる、やってみたいと行動に移せるって、すごくいいことだと思うんです。でも高校生たちの年代ではやりたいことがあっても、大人にダメだと言われたら実現できません。手順を踏んで挨拶をし、しかるべき相手にきちんと説明することが必要です。そのつなぎ役に、私たちしんぐうNextがなれたらいいなと感じました。」

そしてもう一つ、石井さんが「彼に教えられた。」と語るのは、「学校だけで学べないことは、地域で担おう。」ということだった。
「例えば学校の家庭科の授業では、料理を体験する程度です。料理にもっと興味を持っている子どもには、学校という枠を出て地域の中に料理を教えてもらえる場所があるといい。大工でも和菓子職人でも、しんぐうNextを利用していろいろな仕事のことを深く知り、大学へ進学して会社員になるだけでなく、もっと選択の幅を広げて欲しい。そのきっかけは、学校だけじゃなく地域が共につくるものなのだと思いました。」

学校と社会の中間点として、家庭、学校に次ぐ3つ目の「ゆるい場所」になりたいと話す石井さん。そのために、若い人たちが世代を越えて地域の人たちとつながれるまちを目指し、取り組んだのが「みらい会議」、そして「Next Seedsプロジェクト」だった。

 

みらい会議

多世代での取組を大規模な会場で開催


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