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兵庫県立相生高等学校

兵庫県立相生高等学校
(兵庫県相生市)
兵庫県立相生高等学校 情報メディア部写真班

 兵庫県立相生高等学校情報メディア部写真班は、3つの相生の特産物をテーマに取材を行ってきた。それは「うまいか」、「かき」、「若さの味噌」である。
「うまいか」は相生市に店舗を構える湊水産の製品で、地元の人がよく通う店として知られている。また、幼稚園や小学校では工場見学に訪れることが多い。
「かき」は海と山に囲まれた自然あふれる相生で、養殖が盛んに行われている。相生湾の薄めの潮水がおいしさの秘訣である。地元の中学校では実習などで用いられたり、相生かき祭りが開催され家庭の食卓にも並ぶ、身近なものである。
「若さの味噌」は地産地消のお味噌で30年以上作り方を維持し、塩と麹とお米と大豆のみを原材料とする少し甘めの味である。その味噌を使ったみそ汁が小学校や中学校の給食で提供されている。
魅力溢れる相生を全国に広めていきたいと考え、この記事を作成した。ぜひ皆さんも相生の街にお越しいただき、味わって欲しい。

相生の生んだ名産品(地場産品)「うまいか」

 相生市民なら知らない人はいない特産物といえば「うまいか」である。

店頭に並ぶうまいか

ワイワイうまいかを食べながら記事の編集

 全国的には知名度は低いかもしれないが、幼稚園や小学校では工場見学に訪れるほど地元の人にとっては身近な食品であり、老若男女に愛されている。その「うまいか」の製造元である湊水産に取材に行ってきた。
昭和31年に宝いかとして発売、昭和36年に〝うまい〟〝いか〟から「うまいか」に改名された。湊水産は明治23年創業当時はいりこ問屋であった。しかしそのいりこではなく「うまいか」が有名になったのはなぜだろうか。
このロングセラー商品は〝日本人が好む天ぷら〟と〝いか〟を掛け合わせたものが看板商品になるかもしれないという考えから誕生した。美味しさの秘訣は、イカにこだわり、素材の味を活かすために調味料を少なくすること。そして冷めても味が落ちないように衣のふわふわ感を生み出す小麦粉、鮮度の高いイカと水を使用することである。
「うまいか」に使われるイカは、全国各地の鮮度の良いものが調達され、それを伸ばして短冊状にして、衣をつけて揚げる。湿気、暑さに弱いため、場合によっての温度や水分の調節が難しい。また、イカが獲れない時期は相場が上がるため、十分な在庫を確保するなど、隠れた工夫がある。
1年間で1番「うまいか」が生産されるのは年末およびお盆で、1日に約1トン揚げられる。TV番組の〝鉄腕DASH〟で紹介されてからは、お中元やお歳暮として贈られることも多い。それ以外でも、花見や行楽シーズンにもオススメだ。最近、店頭では神戸から岡山にわたる広範囲で売られ、またインターネットでも購入できる。
揚げたてを再現するために食べる際にはオーブントースターで温めたり、うどんやお好み焼きにトッピングするのが美味しく食べられる秘訣である。また、湊水産直売店で販売されている〝海苔うまいか〟は神戸など遠方から購入しに来られるほど人気である。
そして最後に、湊水産の社員の方にここで働いてよかったことをお聞きした。それは、食べてくれる人たちのために、自分たちの手で美味しいものを作り上げ、その人たちの笑顔が見られることと教えてくださった。
取材を通して、相生市民から愛され、普段何気なく駅などに置かれている「うまいか」を詳しく知るとともに、イカへのこだわり、味へのこだわり、生産者のこだわりが長きにわたってのヒット商品となったのだと感じた。

説明をしてくださった藤本さん

 これからも、相生の魅力をたくさんの方々に発信していきたい。みなさんも是非一度、「うまいか」をご賞味あれ!!

相生の「かき」の魅力

 相生と聞いて私が一番に思いつくのは、ペーロン祭りだ。相生は海と山に囲まれて、自然が豊かだ。なかでも相生湾では、「かき」の養殖が盛んに行われている。森の栄養分やプランクトンをたっぷり含んだ水が相生湾に流れ込み、そのおかげで立派な「かき」が育つ。そのため、相生の「かき」は他の地域でとれる「かき」より大きいと言われ、殻にパンパンの身が詰まっている。また、他の漁場よりも薄めの潮水が相生の「かき」の美味しさのポイントの一つである。

採れたてのかき

 約19年前から、毎年2月頃になると市内の中学校では漁協婦人会の方に「かき」の剥き方を教えてもらう「かき実習」が開かれる。普段は剥いてある「かき」を買って食べることが多いため、ほとんどの生徒がそこで初めて「かき」を剥く。最初はうまく剥くことができないけれど、丁寧に教えていただき、みんなだんだん綺麗に剥けるようになる。普段はできないことなので、多くの生徒たちにとって、とても貴重な体験になる。

そして自分たちで剥いた「かき」を少人数で構成されたグループのメンバーで分担して「かき料理」をつくる。「かき実習」では、かき飯・かきグラタン・かきフライ・かきのすまし汁(学校によっては味噌汁)をつくる。矢野川中学校では、市の栄養士さんの方と一緒にかきお好み焼きを作った。

双葉中学校の中村先生に取材

かきのお好み焼き

 実習で使用する「かき」はどれも新鮮で、どの料理にしてもとても美味しい。「かき」はクセがあるものなので、苦手な生徒もいるが、双葉中学校では、先生の手作りのタルタルソースのおかげでカキフライが大人気だった! 双葉中学校の先生方のなかでも、カキフライが1番人気だった。私が実習を行なったときは、かきグラタンが1番人気だった。

実習で作ったかき料理

 自分たちで剥いた「かき」を自分たちで料理することはなかなかないので、生徒たちは作るのも食べるのも楽しむ。また、冬になると、相生かき祭りが開かれ、毎年たくさんの人が集まる。
この記事を読んで、相生市の「かき」に興味をもち、食べにきてくれる人が少しでも増えれば嬉しい。

相生の隠れた特産品「若さの味噌」

 「若さの味噌」は、原材料に米、大豆、塩を使った米みそで、赤穂のお塩と地域でとれたお米を使っており、地産地消のお味噌である。
おすすめの食べ方は豚汁やかす汁で、何に入れてもおいしいが、相生名物の一つでもある「かき」をお味噌で炊いてもおいしいそうである。

若さの味噌は500g(400円)と900g(700円)の2種類

 お味噌を作るのは秋と冬だけで、夏などは販売だけされている。原材料の大豆は甘味が強く粘り気のある大豆で、地産地消の精神から近所の農家さんからお米を買うなど原材料を全て、地元・兵庫県産のみにこだわった体にやさしい減塩手作り味噌である。
この味噌は、昭和58年に若狭野多目的センターの料理教室で、地元産で作った味噌が美味しいと評判になったことがきっかけとなり、平成元年に『コスモス会』で本格的な味噌づくりが始まった。昭和58年から作り始め、43年作り続けている「若さの味噌」について、今回お話を伺ったのは、室井加代さん、信原道子さん、小林貞子さんだ。

相生特産の若さの味噌についてたくさん教えていただいた

お味噌を作る器具について説明を受ける

 現在は、9名の方が5人ずつ交代で毎日作業をしておられる。『コスモス会』の活動は相生市の様々な所での味噌の販売、地域の小学生を対象に味噌づくり教室の開催だ。また、地元の若狭野小学校では、味噌づくり体験だけではなく、農業教育、食育活動、豆腐作り授業もしている。
「若さの味噌」は平成19年、兵庫県認証食品に認定されていて、作り始めた当初から30年以上作り方を変えておらず、材料も今と同じである。そして、私たちがとてもびっくりしたことがある。それは、お味噌を作っている工房の入り口の張り紙に「納豆を食べた人は入室しないでください」と書いてあったこと。理由は麹菌よりも納豆菌のほうが強く、負けてしまうからだそうだ。すごく驚いた。

納豆を食べた方は入れない不思議な部屋

 安全安心の味噌作りを心がけておられて、原材料は塩と麹とお米と大豆のみ。防腐剤なども使われていない。麹のほのかな香りが他のお味噌よりも感じられ、少し甘めの「若さの味噌」は、市内の小中学校の学校給食でも出されて大人気だ。「若さの味噌」の賞味期限は6ヶ月、価格は500g入・400円、900g入・700円で、神姫バスの移動販売でも売られており、相生のみならず神戸などにもリピーターの方がいるそうだ。道の駅あいおい白龍城、JA 旬彩蔵、食品館わかさのなどで購入できる。
「若さの味噌」を加工して作った『ゆずみそ』という味噌もあり、「食と農を守るかあちゃんず」の皆さんが作っておられる。「食と農を守るかあちゃんず」は、相生市内で女性農家6グループで結成されており、地産地消の推進、都市と農村との地域交流、子どもたちへの食育活動など積極的に取り組んでいる。そして、『かあちゃんずのげんき市』というイベント販売なども行って相生市を盛り上げてくださっている。
お忙しい中貴重な話を聞かせていただき感謝するとともに、今回の取材を通じて「若さの味噌」が、どんどん広がっていってほしいと思った。

若さの味噌加工グループの皆さんと記念写真

編集後記~相生高校のすごい〇〇を通じて~

 「高校生のすごい○○」作成にあたり、協力校の募集をしたところ、相生高等高校から一番に協力のお申し出を頂き、お忙しい学校生活の放課後を中心に、相生地域の魅力を伝える記事の作成に取り組んで頂きました。
まずはテーマ探しということで、「相生といえば?」という質問に対して、代表的なペーロンや牡蠣、そして時間をかけて考えて頂き、20個近くの答えが返ってきました。その中で、生徒の皆さんにとって普段から関わりがあったり、思い出があったりする物や事はなんでしょうと深く聞いてみると、中学校の授業で行った「かき」を使った調理実習や、給食に使われている手作りの味噌「若さの味噌」、ふっと食べたくなる味「うまいか」など、相生地域の生徒の皆さんらしい切り口が出てきました。
それらを身近な「食」というテーマに絞り、思い出や経験を通して魅力を伝えていきたいということで進めてきました。
写真班は、学校行事やクラブ活動などの写真を撮る活動が中心で、校外に出ての取材や写真撮影の機会はあまり経験がないとのことで、取材時は緊張した面持ちでしたが、中学生時代の恩師や、湊水産の藤本さん、若さの味噌加工グループの皆さんに優しく迎えて頂きながら、和気藹々の中で取材を進めることができました。
生徒さん自らが経験してきた「かき」の調理実習が始まった経緯や工夫を知ったり、「うまいか」や「若さの味噌」を作っている人たちと直接つながるという貴重な体験を通じて、「相生」との心の距離を縮めながら、積極的に地域の魅力を伝える手段を模索する姿にも相生の魅力を感じました。

相生の魅力を皆で出し合う

湊水産での取材の様子

お店で色々な商品の説明を受ける

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電話番号
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この記事を書いた⼈
NPO法人コミュニティリンク(担当)中西