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兵庫県立赤穂高等学校

兵庫県立赤穂高等学校
(兵庫県赤穂市)
兵庫県立赤穂高等学校 新聞部

今年度で創立91周年を迎える歴史ある赤穂高等学校。赤穂高校は、多くの先輩方に支えられている。素晴らしい先輩方が多い伝統のある赤穂高校、この記事を通して、尊敬する先輩方を多くの人に知ってもらいたい。その中でも、地元赤穂を拠点とし芸術活動を通じて、子どもを育む先輩2名を紹介する。1人目は一般財団法人ジャパンアートマイル理事長の塩飽隆子(しわくあつこ)さん、現在3年生の選択授業でお世話になっている。2人目は市民ミュージカル「劇団アルティスタ」代表の山村美知(やまむらみち)さん、現在赤穂高校生3名が劇団に所属している。

一般財団法人ジャパンアートマイル理事長
塩飽隆子さん

「赤穂高校の卒業生である、塩飽隆子さんは英語教室で講師を務めるほどの英語力を生かして、ジャパンアートマイル(以下、アートマイルとよぶ)という活動をしている。
アートマイルとは国際協働学習の学習プロジェクトで、平和・文化・環境など共通のテーマについて学び合って議論し、双方の思いを合わせて世界に発信するメッセージを込めて壁画(1.5m×3.6mの大型絵画)を共同制作するプロジェクトである。
現在、赤穂高校では3年生の選択授業で22名の生徒がアートマイルを通じてインドネシアの学校と協働学習中だ。お互いの地域の文化を紹介し、普段ではできない国際協働学習を通じて、楽しみながら刺激の多い授業が行われている。

人との出会いで人生は変わる。

塩飽さんは英語講師として日本と海外の子どもたちのやり取りを見る中で、「日本の高校生は、質疑応答になると喋れなくなって知識や技能を無駄にしている。」と感じていた。そんな中で、ある女性との出会いがあった。その人はアメリカでアートマイルの活動をしていたが、日本発のアートマイルと違い人々が平和への想いを持って集まり、平和のメッセージを込めて自分たちだけで絵を描いていた。その女性の取り組みだけでなく、人間力や信念にも惹かれ日本でも始めたいと思った。塩飽さんは世界の子どもたちに経済力などに関係なく平等に機会を与えるために、アートマイルを教育活動に取り入れることにした。

一番の苦労は知ってもらうことの難しさ。

アートマイルを始めたころは、周りの認知度が低く、みんなに知ってもらうことが最も苦労した点だと振り返っていた。しかし、学会での発表などで多くの人々に伝えることで、少しずつ認知され始めた。諦めずに活動を続けるうち、人から人へアートマイルが広がっていき、現在は世界67カ国、1277校でアートマイルが行われている。

アートマイルの絵

塩飽さんはアートマイルで描いた絵を紹介してくれた。その絵(画像)のテーマは「世界の平和のために自分たちにできること」。右半分を日本の高校生が、左半分をアメリカの高校生が描いている。

絵の中央部にはスマートフォンやタブレットを持ったお互いの国の人たちが居る。その周囲には数種類のSNSのアイコンが描かれており、SNSを使えば高校生でも世界を動かすことができる、というメッセージが込められているそうだ。

絵の右下には原爆ドームが描かれていて、核をなくしたいという思いが込められている

絵の左下には相手の地域の戦死者を弔う風習を表してブーツと銃、ヘルメットが描いてあり、戦争をなくしたいという思いが込められているようだ。
現在の目標は東京2020オリンピック・パラリンピックに参加する全ての国・地域とアートマイルの活動として描いた絵を展示することだと塩飽さんは言う。

チャンスはある。それをつかめるかは積み重ね次第

塩飽さんは高校生に伝えたいこととして、「将来、成長して夢を実現するチャンスはいっぱいあると思う。探せばいろんなチャンスが見えてくる。そのチャンスが生かせるかは今までの自分に積み重ねがあったかどうか。そして、少し高い壁でも挑戦してみることが大事。上手くいけば自信になるし、素晴らしいチャンスの後ろには素晴らしい人たちがいる。その人たちの応援は、なによりも力になる。」と言っていた。

話を聞いて…

この取材を通して、1つ1つの言葉、そして物語が今の塩飽さんにつながっているのだと感じた。塩飽さんが一番苦労したという「知ってもらうこと」のために行った、諦めずに活動を続けることも、少し高い壁の先にいる素晴らしい人の応援があってこそ成し遂げられたものなのだと思う。筆者(1年 庵奥)も、これから訪れるチャンスを生かせるように経験を積み重ねたいと思うようになれた。その1つに、アートマイルを魅力的に感じ、参加したいと思った。

市民ミュージカル「劇団アルティスタ」
代表 山村美知さん

音楽をはじめたきっかけ

「音楽は工夫をするだけで誰もが楽しめる生き甲斐になる。」
赤穂高校の卒業生である、山村さんはこう気づいたことがきっかけで音楽の道に進んだ。「あなたにとって音楽とは何ですか?」と尋ねると、「生活のすべてです!」と言うくらい山村さんは音楽が大好きな方だ。ミュージカルの先生に、ピアノの先生に、伴奏者に、音楽療法士に、と毎日大忙しの山村さんは「音楽が好き」という気持ちで毎日を走り続けている。先程も書いたように、山村さんは音楽に関わるたくさんの仕事をされているので、その中でミュージカルについて深く掘り下げてお話を伺ってきた。

芸術家・アルティスタ

山村さんは兵庫県赤穂市を中心に活動する市民ミュージカル「劇団アルティスタ」の代表をされている。アルティスタの名前の由来は、イタリア語で「芸術家」という意味で、「劇団員ひとりひとりが芸術家」という意味が込められている。アルティスタには年齢も性別もばらばらの9歳~50代まで幅広い年齢層の劇団員がいて、その中には赤穂高校の生徒も3人所属している。だが、アルティスタでは年齢は関係なく、子どもだからといって特別扱いはしない。子どもも大人も関係ないからこそ、子どもが大人にズバズバアドバイスを言え、全員が対等な関係で一人の役者としてお芝居をしている。山村さんはそこで一番大切なことは「人とのコミュニケーション」、「その世界に入り込むこと」、「そして何よりもこの舞台を成功させたい」という強い気持ちだとおっしゃっていた。そのため、劇団に入る前は、大人しくて自己表現が苦手だった人も、劇団を通してみるみる成長していき、伸び伸びと自己表現ができるようになっている。

山村さんの軌跡

劇団アルティスタ設立のきっかけは、音楽大学卒業後、中学生の時に〜→中学からの親友に再会して「音大で勉強したことを活かして、地元赤穂で本格的なミュージカル舞台を自分たちで創ろう」と意気投合したことだった。最初は思い通りにいかないことも多く、大変だったが、「家族をはじめ周りのたくさんの方に助けられて、支えてもらって今がある」と、とても強くおっしゃっていた。アルティスタは数年に一度、大きな公演を行っているが、同じ物語の劇を何度やっても、その都度のメンバーや、時代の流れ、環境によって全く同じものにならず毎回新しい発見があり、とても面白いのだそう。
そもそも山村さんが音楽の道に進んだきっかけは、中学生の頃に遡る。中学校に来た教育実習生のとても綺麗な歌声を聴いたときにとても感動し、憧れ音楽、の道に進みたいと思った。また、大学受験の際には、憧れの志望校である音楽大学に進学するため、努力を重ね、憧れの志望校である音楽大学に進学するため努力を重ね、毎日10時間を目標にピアノの前に座り続けたという努力家の山村さんの座右の銘は「継続は力なり」。

「継続は力なり」〜高校生へのメッセージ〜

「まずは続けることが力になる。高校生に伝えたいのは努力を惜しまないということ。高校生の時に努力を惜しまずに何事にも挑戦してほしい。」山村さんは昔からいろんなことに興味を持っていた。普通、音楽の道に進む人は幼少期からその道一筋に必死に練習している。だが、小学生の時には少女バレーをやっており、突き指をしてピアノの先生に怒られたこともあった。それでも 伸び伸びと その時々に興味を持ったものに夢中になって過ごしてきた。そうこうしていると「音楽の道に進みたい」と決意したときには、音楽の道に進む人の中ではもう遅い時期になってしまっていた。するとピアノの先生に「音楽の道に進みたいならピアノを1日10時間練習しなさい」と言われ、普通の人なら諦めるところを「10時間すればいけるんだ!」と思い、ものすごく努力をした。山村さんの今があるのはその努力が実った結果だ。
劇団においてコミュニケーション能力や表現力というのはとても大切なものだ。山村さんは高校3年生の時にアメリカで40日間ホームステイをした。アメリカでは独りぼっち。自分で自分のことを表現して伝えていかないと誰も自分のことを認めてくれないと学んだ。そこで、どんなに困難な状況でもプラスに発想を転換させることや 人とのコミュニケーションの取り方、伝え方などを学び、人間力を培った。

お話を伺って

「人間力がついて自己表現できるようになり、今に繋がっている」と話す山村さんを見て、たくさんの努力や経験を積むことは本当に自分のためになると改めて感じた。プロピアニストになった今でも練習を怠らず、努力を重ねている山村さんの姿勢を見習おうと思う。「何もないと思って過ぎ去っていく日常を淡々と過ごすのではなく、1日1日を大切に今しかない毎日を充実させて過ごしてほしい」、「毎日の日常の中に音楽を取り入れて楽しんでほしい」という高校生の心に響くメッセージを頂いた。これから山村さんを見習い、こつこつ努力を積み重ね、今しか出来ないことを一生懸命やろうと思う。

雪の女王

2019年1月に行われた舞台の物語は「雪の女王」で、ひとりの少女の大きな愛と勇気の物語。この物語は「永遠の愛」がテーマだが永遠の愛といってもこの世界にはたくさんの愛の形がある。山村さんは「相手を想い続けると愛は必ず返ってくる。そんな愛を共感してほしい」とおっしゃっていた。筆者(2年 亀井)もアルティスタに所属しており、今回の舞台にも参加した。アルティスタのみんなと、1回きりの3時間の舞台のために1年をかけてお稽古をしてきた。そしてプロの伴奏者の山村さんでも何度も何度も編曲をし直し、練習を重ねてピアノの伴奏が上手くなるのだと知った。それは山村さんのようなプロの伴奏者でも、最初から上手に弾けるのではなくて、人の何倍も何十倍も努力した結果の演奏なのだと知った。これから、いろんなことに挑戦し、人の何十倍も努力して夢を叶えていきたい。

編集後記~赤穂高校のすごい○○を通じて~

兵庫県立赤穂高等学校の新聞部は、1年生3人、2年生4人の合計7人。
部員の中には、「起業」を志し民間企業が実施している「起業体験プログラム」に参加する生徒や、写真に興味があり身近な赤穂の写真を撮り続けている生徒がいて、とても個性豊かで活発な印象でした。
新聞部としては、年に2回、入学式と卒業式に校内新聞を発行していますが、それ以外に主だった活動が出来ていませんでした。それゆえ「高校生が発見したすごい〇〇」に参加して取材や撮影方法を学んだことをきっかけに、新聞部の活動の幅を広げていきたいという熱い想いがありました。
赤穂と言えば「牡蠣」「塩」そして「赤穂浪士」といったキーワードが思い浮かびますが、マスメディアに紹介されていない赤穂の魅力を探してみようと、ワークショップを繰り返し色々な情報を出し合いました。
とある時期になると「赤穂高校の廊下や高校周辺に蟹が歩いている!」といったことや、知る人ぞ知る「ソフトクリーム」など、高校生らしい日常生活の中で気づいた“取材ネタ”をリストアップすることができました。
取材を進めていく中で、裏付けとなる情報収集が残念ながら上手く集まらず、思った通りに進まないことも多々ありましたが、担任の先生からもアドバイスを行って頂きながら、生徒が主体的になって新たな情報を出し合って進められたことは、貴重な経験と自信に繋がったと感じています。ぜひ、今後の新たな新聞部の活動にも期待したいと思います。

構成を考えるワークショップ

取材やライティングのコツを学ぶライター講座

取材項目を考える高校生たち

実践型のカメラ講座

作成した原稿の校正とアドバイスを受ける

担任の先生とも相談をしながら原稿作成

赤穂高等学校のブログにも、今回の活動の様子をご紹介して頂いています。

また、新聞部の生徒が、若武者ブログにも活動の様子を掲載して頂いています。
ライター講座(若武者ブログ)
カメラ講座(若武者ブログ)

※若武者ブログとは
アサヒグループホールディングスが実施する地元の地域の環境・食の課題を考え、解決に向けて行動できる未来のリーダーを育てる高校生向けプロジェクト(若武者育成塾という)において、合宿の様子や、参加した高校生が各地域において活動する様子を発信するブログです。

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この記事を書いた⼈
NPO法人コミュニティリンク(担当)中西