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村おこしプロジェクトCountry Road同好会

兵庫県神戸市
村おこしプロジェクトCountry Road同好会

大好きなハーブで村おこし!

自分たちで育てたハーブを使ってオリジナル商品を開発し、八千代区を元気にしよう! 女子大生ならではの視点で、地域づくりに挑戦しようと平成30年4月、同行準備会(*)が発足した。
*平成31年4月、同好会に改称

 

休耕田で栽培したハーブを収穫して乾燥させ、サシェ(香り袋)や入浴剤、コーディアル(成分を煮出したハーブ飲料)などの商品として販売できるように地域を支援するのが主な活動。

商品開発では、播州百日どりをはじめ地域の特産品を採り入れたレシピを提案。ハーブの活用方法を多くの人に伝えたいと、様々な加工品の試作を繰り返している。

 

試作品は自らの手で販売。大学祭をはじめ、地域の交流を深める催しやイベントなどへも積極的に出店。八千代の特産品販売にも挑戦し、地域のPRも欠かさない!

 

平成30年11月には、県民情報番組のテレビ取材を体験。今ではCountry Road同好会の活動も、地元にしっかり根付きつつある。

もっと地域の人と仲良くなりたい

村の中を歩くだけで緊張する、何を話せばいいのかわからない、でも仲良くなりたい…。農作業を通して言葉を交わす機会が増え、少しずつ冗談も言えるほど心の距離が近づいていった。

 

JAみのりと共同で出展した産業展「多可町ふれあいまつり」では、減農薬農業に取り組む人や、地場産業の播州織を守る職人たちとも交流。様々な出会いを通し、どんどん視野が広がっていくのを実感。

 

子どもたちと仲良くなりたい! 地域の子ども会と連携し、餅つきやボウリング大会といった交流イベントを実施。とんど祭にも参加するなど、地域の中へ自分たちから飛び込んでいく。

 

婦人会の人たちと公民館の清掃活動に参加。作業中に聴く大人たちの経験談を通して、自分たちが持たない目線や考え方に触れ、新たな発想を生むためのヒントもいただいている。

 

「ハーブチキンのお味はいかがですか?」感想を聞く目的を持てば、会話のきっかけは自分たちで作ることができると気づいた夏祭り。村おこしって、コミュニケーション。

「あまふね市」は八千代を元気にする第一歩!

「移設する野菜直売所の内装をデザインしてほしい。」地元野菜をもっとたくさんの人に知ってもらおうと、天船地域づくり委員会が改装プランを依頼。移設現場の見学へ出かけた。

 

移設先は、八千代区を代表する特産品販売施設「マイスター工房八千代」の目の前。平日の朝から行列をつくる京阪神からの来客たちに、直売所にも足を運んでもらおう! 野菜を並べた仮設店舗からスタート!

 

内装には地場産業である播州織の生地を使うことに決定。地元の商社を訪問し、播州織の生地を中心に社内見学。説明を受けながら生地を選び、時間をかけて準備を重ねた。

 

改装作業も、地域の人たちと協力しながら自分たちの手で行った。播州織生地を上手に壁にあしらえず大変だったけれど、「自分たちでやり遂げた!」 オープニングセレモニーでの達成感がたまらなくうれしかった。

 

毎週土日にオープンする野菜直売所「あまふね市」。買い物に立ち寄った人たちに活動を紹介したり、地元農家の人たちから野菜について学んだり、販売を通してコミュニケーションを学ぶ大切な場になっている。

学び合い、育み合える明日を目指して

「なぜするの?」「何につなげたいの?」「相手にどんな情報を受け取ってほしいの?」 目的を考え、未来を捉える目線を持てたことが成長のあかし。
[写真:ひょうご地域創生ネットワーク会議での事例発表風景]

 

村おこしマップを作りたい! 特産品を求めて都会からやってくる人へ、地域の魅力も伝えるものがあれば、もっと八千代全域を楽しめるはず。みんなでまちの見どころを巡り、調査と取材を続けている。[写真:笠形山登山]

 

力を合わせて取り組むために、ミーティングは大切な活動。自分の中に生まれた意見を、みんなにきちんと届けることができるようになった。どんどん積極的になっていく自分がうれしい。

 

平成31年3月、多可町との地域連携協定を締結。地域を学び舎にますます成長する学生たちと、大学生との交流でどんどん元気が生まれるまち。芽吹いたばかりの信頼は、次の世代へ育まれてゆく。

 

卒業しても、「ただいま」と八千代に帰って来たい。村の人たちに「お帰り」と迎えてもらえる私たちでありたい。それが私たちの、村おこしだと思うから。

グループ紹介

村おこしプロジェクトCountry Road同好会 兵庫県神戸市

見渡す限り山、山、山。頭上からこぼれ落ちてきそうなほどの、豊かな緑に囲まれた多可町八千代区。
「自然の音がどんどん耳に入ってくる!」と、セミの声にも驚くほど都会で生まれ育った女子大生たちが、休耕田の真ん中で農作業に汗を流している。
兵庫県のほぼ中央に位置する多可町八千代区は、面積の約80%を山林が占める緑と清流に恵まれたまちだ。34%を超える高齢化率を抱え、地域活性化の課題に直面するこの地域に、女子大生たちがやってきたのは平成30年春のこと。甲南女子大学人間科学部 佐伯勇教授が立ち上げを支援した大学公認の部活動「村おこしプロジェクトCountry Road同好会」だ。

「農作業を体験したい」「ものづくりが好き」「村おこしに挑戦したい」。そんな好奇心いっぱいの女子大生たちが集まり活動を開始。2年目を迎えた令和元年9月現在、3回生から1回生まで計16人が参加している。

活動の中心は、ハーブを使った6次産業化支援(*)。ハーブを八千代区の新たな特産品にしたいとの想いから、村の中の休耕田でハーブを育てることから始まり、収穫したハーブの加工品開発や地元の特産品を活用したレシピの提案、大学祭をはじめとする様々なイベントや地元直売所での販売を行っている。
「自然の中でしかできないことに取組める。田舎ならではの経験は新鮮!」というメンバーたちは、毎週のミーティング活動に加え、月に一度八千代区を訪問。ハーブの他にも、さつまいもやヤーコン、菊芋など様々な農作物の植え付けや収穫、イベントでの販売をはじめ、オリジナルレシピづくりにも挑戦中だ。
「野菜農家の方たちの様子を目にすると、食べ物がどうやってできるのかわかって面白い」と、明るく楽しく取り組んでいる。

そうした6次産業化支援に加え、大切にしている活動が地元住民たちとの交流だ。
「最初は、村の中を歩いているだけで視線を感じてとまどった」という学生たちだが、夏祭りの企画・運営やお正月の餅つき大会をはじめ、依頼を受けた野菜直売所のリニューアルオープンなど、積極的に地域の中へ飛び込んでいくことで、少しずつ地元住民たちとのコミュニケーションを深めていった。
中でも高齢者との触れ合いは、「話をするだけで学ぶことがたくさんある」と部長の西村朋香さんは話す。
「祖母が住むまちも八千代区に似て地域の元気が足りない。どうしたら盛り上がるんだろうと考えるうち、村おこしに興味が湧いた。今こうして関わっていることに、やりがいを感じる」というメンバーもいる。

西村さんは「八千代区には、魅力的なスポットがいっぱいある。『次はあそこへ行こう』『こんなお土産があるよ』って、八千代で一日過ごすための案内ができたら、地域活性化に繋がると思う。都会からくる人に、私たちがどれだけ伝えられるかにかかっている。そのためには、今活動している私たちが卒業しても、このまちにいつでも戻れる関係を築くことが必要。ハーブの特産品化や野菜直売所あまふね市の活性化を、地域の人と一緒に後輩たちにも続けてほしい。繋がっていくことが本当の地域づくりだと信じている。」と語った。

 

*6次産業:農畜産物・水産物の一次産業(生産)だけでなく、二次産業(加工)・三次産業(流通・販売)にも農林水産業者が中心となって関わることで、農林水産業の活性化を図るもの

 

村おこしプロジェクトCountry Road同好会 部長 西村朋香(にしむらともか)
甲南女子大学医療栄養学科2年

村おこしプロジェクトCountry Road同好会 部長紹介

私の好きなハーブを育てて活用するという活動に惹かれ入部しました。もともと人のサポートをするのが好きで、困っていることがあれば助けてあげたい性格です。1回生の時に同好会の会計を担当し、当時の部長のそばで仕事を手伝ってきました。その経験を活かすことで自分が成長したいと思い、部長を引き受けました。先生をはじめ2回生みんなの心強いサポートのおかげで、続けられています。

部長という役目を通して、いろいろな目線や角度から物事を捉え、考えられるようになりました。いつでもどんなことでも「なぜ、これをしなくちゃいけないんだろう」という目線を持つ大切さを、先生が根気強く指導してくださったからです。
例えば、八千代区の現場へ活動に行った人と行けなかった人の間に生まれる体験や認識のずれをどうやって埋めるかといった課題に対して、行動の目的を自分たちで考えるようになったおかげで、活発な話し合いができるようになり解消につながりました。さらに部員たちと地域の人の関係づくりにおいても、地域のみなさんに声をかける目的を持てるようになったことで、話しかける機会を自らつくれるようになり、地域の方々と触れ合えるようになったと思っています。
学生は視野が狭くて一つのことに捉われがちですが、地域の方々と交流する中で「こんな考え方もできるよね」とか「昔こんなこともやってたよ」と、自分たちの経験を話してくださいます。「じゃあこんなこともできるのでは?」と、そこから私たちも発想力を広げることができています。

初めは地域の方に、何と声をかけていいのか分かりませんでしたが、今では「来てくれてありがとう」と言ってもらえたり、活動をほめていただくことがあります。本当にうれしい瞬間です。この活動は、自分たちがやっていることの答えが、すぐに出るわけではありません。何カ月後、もしかすると何年後かもしれません。本当にこれでいいのかって、すごく不安になりながら続けていることもあるのですが、地域の方の言葉で自分たちの方向は正しいんだって自信にもなっています。

地域活動って、お互いが頑張り過ぎないことが大切だと感じています。学生は学業を優先し、できる範囲内のことだけ取組まないと、かえって地域に迷惑がかかります。地域の人にとっても、学生を受け入れることは負担になっていることも多いはずです。みんなが無理せず頑張れればいい。そのためには、お互いが本音で要望を伝え合える関係づくりが大切です。それこそが、村おこしの第一歩だと思っています。

 

甲南女子大学人間科学部 文化社会学科 佐伯勇(さえきいさむ)教授

村おこしプロジェクトCountry Road同好会 顧問紹介

本学の学生は、与えられたことに対して真面目に取り組む素直さがある一方で、答えのない課題に主体的に取り組むことが得意な人は少ないように感じます。しかし変化が激しく先の読めない現代では、課題自体を自分たちで見つけ、答えのない課題にチームで取り組み付加価値を生み出す必要があります。このような実践力を身につけるには、学生が地域や企業と主体的に関わり学ぶ場づくりが必要だと考えています。

地域の方を巻き込み、動かさなくてはいけない地域活動には、目的を持ったチーム作りと観察力やコミュニケーション力が必要です。地域に入り込み、一緒に活動に取り組むことでお互いに学び合う関係が作れたら、社会で活躍できるだけでなく、生き抜くための重要なスキルが身につくのではないかと思ったんです。

当初は「これがしたい」と言う学生たちに「どうしてそれがしたいの?」と尋ねても、答えが返ってきませんでした。自分やチームの中だけで感覚的にやりたいことを決定しても、地域の人はなかなか協力してはくれません。「それは地域の方の目にはどう映る?」「何が課題だと思っているの?」と質問を投げかけ、学生たちの中にあるものを解きほぐすように支援を続けたことで、少しずつ物事を主体的かつ論理的に考えられるようになり、結果として他者と関わる力がついてきたと思います。

その成果を感じたのは、地域の方々が「甲南女子大の学生たちと、村おこしに取り組みたい」とおっしゃってくださったことでした。学生たちがどういう気持ちで村へ来て、何をしたいのか、挨拶一つでわかるとおっしゃったんです。自分から人に関わっていけば、できることがたくさんあり、喜んでもらえる。主体的な態度が人を動かし、それが「私にもできる」という自己肯定感につながっていく。そんな貴重な経験を、学生たちにはもっともっと積み重ねて欲しいと思っています。

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