宝塚ふぁみりぃ劇場
宝塚市

中高生の成長を支えるサードプレイスとして

平成23年の東日本大震災をきっかけに、大阪で生まれたイベント「びっくり箱」。文化芸術団体、ホール、地域が一体となり、様々な舞台芸術やパフォーマンスを通して、震災の風化を防ぎ被災地を支援しようという取組だ。平成26年に阪神・淡路大震災の被災地である宝塚市に開催地が移り、ふぁみ劇も関わるようになった。
チラシの配布や当日の会場整理などに加え、大切にしている活動が、東北での被災地支援活動に参加した高校生や青年たちが、イベント当日に行うボランティア体験の発表。被災地で目にしたこと、現地の人と話したこと、そこで感じた自分の思いを、自分の言葉で伝える取組だ。家庭や学校以外のサードプレイス(第三の居場所)で、子どもたちが力をつける機会を与えられていることへの感謝を口にする喜多河さん。次の世代にも、こういう場をつくってゆくことが自分たちの役割だと話す。
光田さんも「2年、3年と取り組み続けるにつれ、子どもたちが大きく成長していく様子を目にすることができます。『社会に出た時、この経験が自分の中核になる』と聞いた時、子どもたちにそこまで影響を与えるこの活動は、1年単位の点ではなく、2年、3年という縦に長い線で見守っていくことが大切だと感じました。」と言う。
こうした子どもたちの成長を育む様々な活動がある中で、やはりふぁみ劇の原点は、生の舞台芸術鑑賞にあると、喜多河さんは改めて言葉に力を込める。

 

たからんまつり

子どもたちに大人気のダンボール遊び


観る力は、子どもたちの生きる力になる

「新型コロナウイルスによる影響で活動自粛が続いた後、令和2年9月の再開一作目がノリのいいリズム感にあふれた作品だったんです。みんなが喜んでくれて、いい作品を上演できてよかったと思いました。」と話すのは、出演団体との交渉や会場の調整などを引き受ける事務局長の伊藤紀久子さん。「演者と観客の間で交わされるやり取りで、盛り上がっていく生の舞台の迫力を感じました。コロナ禍を経て改めて、生で鑑賞する大切さがわかりました。」と言う。
そんな生の舞台芸術鑑賞について、喜多河さんは「観る力は、生きる力だ。」と話す。
「鑑賞には力が必要です。目には見えませんが、そういう力が0歳や1歳の頃から身についていくのを感じるんです。」
芸術鑑賞では、0歳児、1歳児も含め約80人もの親子が人形劇を鑑賞することもある。始まる前は「静かに観ることができるか」「会場がざわつかないか」と、一瞬不安が頭をよぎるが、子どもたちは始まると同時に舞台の世界に入り込み、演者との掛け合いも楽しみながら、プログラムに集中しているという。
「まわりの子どもたちが舞台に集中していると、自分も観なくてはいけないと思うのでしょう。アーティストが一人ひとりに語りかけながら真剣に演じている様子に、自分のために演じてくれているのだと子どもながらに感じているんです。そんなキャッチボールが客席と演者との間にあり、子どもたちにも通じるからこそ舞台に引き込まれ、みんなで観るんだという空気が生まれていくのだと感じます。
また、シンプルな背景の舞台劇では、例えばそこに野原が無くても、存在している様子を想像しながら子どもたちは観ています。そうした集中力や想像力、ちょっと大げさに言えば『生きる力』は、幼い頃から生の舞台を観ることで養われていくのではないかと思うんです。」
そう話す喜多河さんの視野には、地域にいるすべての子どもたちが入っている。

 

びっくり箱

開催されたプロブラムの一つ、ソリオまちなか劇場
「忍者修行-しろくまくんをさがせ!の巻」


サマーキャンプ

水遊びを楽しむ子どもたち


芋掘り

「お芋掘りしたい!」という声から生まれた企画、
たくさんの家族が参加し、芋掘りを楽しんだ


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