スティールパン楽団「ファンタスティックス」
神戸市長田区

叩くだけで楽しめる楽器、スティールパン

スティールパンの魅力は、誰でも簡単に音が出せること。 「商店主の皆さんに、『音楽活動をしよう』といきなり言ってもとまどいますが、スティールパンは叩くだけで誰でもすぐ楽しめます。しかも珍しい楽器なので、聴いてくれる人の関心も集めやすく、イベントにはもってこい。」と教えてくれたのは、菅原一乙美さん。
安里春菜さんも「音楽に関わったことがない、楽譜も読めない、音階もわからない。そんな全くの初心者でも、スティールパンの表面に並んだドレミの場所を覚えれば、誰でも弾ける垣根の低さが魅力。」と話す。
一方、「10年続けていますが、いまだにリズムがおかしいと言われます。」と笑うのは高橋直樹さん。
「楽器とは、音楽的センスを備えた人がとことん練習を重ね、上達して初めて楽しくなるストイックなものというイメージでした。でもスティールパンは、どんな段階にいても楽しめる楽器です。私自身、少しずつしか上手になれなくても、自分なりの楽しさを感じることができています。」と楽しそうに話す。


また小原雅美さんは「スティールパンは、大人になってから始める人がほとんどなので、いつスタートしても誰もが同じように楽しめます。演奏スタイルも柔軟で、ソロでも100人以上の規模でも、何人集まっても全員で合奏できます。そういう楽器って珍しいのではないでしょうか。」と、スティールパンの特徴を語る。
美しい音色で聴く人を魅了するだけでなく、演奏する人をもとりこにしている。

 

人材育成から演奏、防災教育まで、多彩に活動中

平成14年、振興会の活動は、未経験者がスティールパンの演奏を気軽に学べる「アスタ新長田スティールパンスクール」の立ち上げから始まった。復興イベントが終了し、スティールパンがほとんど知られていないことを目の当たりにしたからだ。スクール生は、現在およそ60人。
スクールを通してスティールパンの楽しさを実感し、「演奏活動に参加したい」と楽団に加わる人が多いと言う。
現在ファンタスティックスのメンバーは21人。地元商店街の商店主をはじめ、会社員や医療関係者、作家、学生など、10代から50代までの人々が所属。『しあわせ運べるように(*)』を代表曲に、演奏活動を続けている。

活動の中心となるのは、毎年3月に開催する「アスタスティールパンコンサート」。「1.17を忘れない」をコンセプトに、平成15年にスタート。スクール生の発表と、ファンタスティックスのコンサートの場として演奏を披露している。
そしてもう一つが、毎年9月に開催する「KOBEスティールパンカーニバル」。ファンタスティックス誕生のきっかけとなった「長田ラテンミュージックストリート」を継承したイベントで、当日は全国各地からスティールパンのバンドやオーケストラなどが集結し、それぞれの演奏を披露する。
その他、神戸市が主催する音楽祭への参加や音楽家との共演、福祉施設や学校、地域イベントでの演奏など、様々な活動にボランティアで取り組んでいる。

 

*『しあわせ運べるように』: 阪神・淡路大震災直後、神戸の再生を願い鎮魂と希望を込めた「復興の歌」として、当時神戸市内の小学校に勤める音楽教諭によって作られた。長年、神戸の人々を中心に歌い継がれ、現在では復興のシンボル曲となっている。

 

アスタ新長田スティールパンスクール設立

スティールパンに魅力を感じ集まったメンバーたち


おうちにいようプロジェクト

コロナ渦で集まることが出来ない中、行われたリモート演奏


国際マリンバ&スティールパンフェスティバルの撮影風景

撮影動画でのエントリー、見事1位に!


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