SSV関西学院

兵庫県三田市
SSV関西学院

ボランティアで地域活動を支える大学生たち

関西学院大学の学生が参加する大学公認の地域福祉系ボランティアサークル「SSV関西学院」。
SSVは、Sanda Student Volunteerの略。
※写真は、代表などを選出する総会の様子

 

1996年の設立以来、20年を超える活動実績があり、知的障害者への支援を主に、地域の子どもたちの交流の場づくりや学習支援等、青少年育成活動を継続的に実施している。
 

平成27年7月1日、三田市さつき賞を受賞。
さつき賞は、三田市のまちづくりや地域社会づくりのために様々な分野で市民の模範となる活動を続けている個人・団体を送られる賞です。さつき賞は、社会福祉功労にあたる。
長年にわたるボランティア活動の実績が評価された。

 

現在は、地域のボランティア活動に興味がある理工学部や総合政策学部の大学生が中心となって活動している。
「行きたいときに参加できる」を活動のモットーに、アットホームな雰囲気の中で活動が行われている。

 

地域の居場所づくりを行う三田まちの寺子屋「まなびあ」、やよい幼稚園の園庭開放「やよいっこ」、知的障害者の方とコミュニケーションを取りながら料理や工作を行う「たんぽぽ」と「料理教室」、自然の中に遊ぶ場をつくる「プレーパーク」、そして、三田市青年会議所などが実施する青少年キャンプや市内で実施されるイベントなど、 地域の団体が実施している活動現場に入り、運営をサポートするボランティア活動を行っている。

地域の中で第3の居場所づくりを進める

三田まちの寺子屋「まなびあ」は、「もう一度勉強したい」と不登校経験を持つ人から聞いた声をきっかけに、地域住民が地域の子どもの学びを支える「学習支援」の場として、NPO法人場とつながりの研究センターによって立ち上げられた。
SSV関西学院は、子どもたちと一緒に勉強したり、遊んだり、時にはオリジナルの企画を実施したりと、まなびあの運営をボランティアとしてサポートしている。

 

毎週水曜日と金曜日の15時半から18時半に「まなびあ」をオープン。友達と勉強したり、おしゃべりしたりゲームをする等、楽しく過ごせる居場所づくりに取り組んでいる。

 

「まなびあ」で関わってきた子どもの一人が、しなければいけない学校の宿題と自分のしたい遊びやゲームのどちらを先にするのかを悩んでいた時、「今の子どもには、最善手を考え、実行する力が不足しているのではないか?」と感じた「まなびあ」の活動に参加する大園健太さん。
自分自身が慣れ親しんできたボードゲームを使って、その力を養えるようなゲーム作りにチャレンジした。

 

「とりあえず覚えているカードは全部取る」子どももいれば、「このカードがあればいけるかも」とどのカードを取るのかを考える子どももおり、カードの取り方にその子の個性が出ていることが分かり、子どもならではの柔軟な発想に驚かされることが何度もあり、子どもたちは自分なりに最善手が何かを考えているんだと気付かされた。

 

「家に帰ると誰もいない。冷蔵庫にも食材がない。急に自分だけでご飯を作らなければいけなくなった時、きちんとサバイブできる料理が作れるか?」という問題意識からスタートした企画「おるすばんごはん」。
参加した子どもたちは、私たちが想像する以上にバラエティ豊かで、バランスの取れた、意欲的な料理にチャレンジしてくた。と同時に、使い切れない食材がたくさん出たりと、1,2人分の料理をするのにスーパーで商品を買うことの難しさを感じることができた。

障害のある方々のサポートと子ども達の居場所づくり

NPO法人三田市手をつなぐ育成会が実施している知的障害者の方とコミュニケーションを取りながら料理をする料理教室や、工作などを行う「たんぽぽ」のお手伝いに参加している田坂奈津子さんは「多くの人と接していく中で、様々な障害があることや、関わっていく時間が増えるについて個性を理解できるようになってきた」と話す

 

社会福祉法人風が運営している三田わくわく村で行われている「チャチャチャ」。障害者の方が音楽をBGMにトランポリンを使って体を動かす補助役に入ったりBGMに合わせて楽器を演奏するサポートを行っている。

 

NPO法人三田市手をつなぐ育成会とSSV関西学院の交流イベントを企画。
担当している池田安希さんは、「関わりの回数が増えていく中で、名前を憶えてくれたり、来月も来てくれるの?と言ったように声を掛け合える信頼関係ができはじめ、どのようにすれば上手くサポートできるか等、コミュニケーションの取り方が少しずつ分かるようにになってきた」と話す。

 

月に1回から2回(土曜日に開催)、三田市内のはじかみ池公園で開催しているプレーパーク。
自然と触れ合う機会が少ない子ども達向けに自然で遊ぶ場を作ってあげたいという想いで活動を行っている。
竹とんぼやコマなどの昔のおもちゃで遊んだり、たき火をしてみたり、子どもたちが自由に遊べる空間づくりに取り組んでいる。

 

プレーパークの日を楽しみにしている子供たちや、たまたま散歩で通りかかった親子連れ等、たくさんの子ども達が遊びに来てくれるプレーパーク。
泥んこ遊びを企画したとき、「泥んこ遊び楽しい!」と夢中になって泥だらけになって楽しんでいる子どもたちを見ていると、なかなか体験できなくなってしまった珍しい経験を提供できていると感じています」と、プレーパークを担当している小林朋佳さん。

子ども達の見守り支援と地域活性化イベントのボランティア支援

やよい幼稚園が土曜日に行っている園庭開放「やよいっこ」に、子ども達の遊び役や見守り役のボランティアとして参加している。
「とある子どもと2年間関わってきました。最初は引っ込み思案だったけど、卒園前には積極的に友達と関わっていくような性格に変わりました。子どもの成長の変化を見れることがとても学びになっています。」と、現在やよいっこの責任者を務める井村朱里さん。

 

年に数回、SSV関西学院が企画をして「やよいっこ」に来る子ども達と遊ぶチャンスがる。
この日は、ゲーム大会を企画して実施。15人くらいの園児たちが集まってみんなで椅子取りゲームやリレーなどの室内ゲームを開催。終わった時、子どもたちから楽しかったと言う声がたくさんあがった。

 

三田市青年会議所が主催する「小学生ふれあいサマーキャンプ」など、大きなイベントの運営ボランティアとして参加している。

 

三田市内で実施されるイベントにも積極的にボランティアとして参加している。三田市に活気を取り戻したいという思いで初開催となった三田市青年会議所が主催する「SANDAスカイランタンプロジェクト」。LEDで輝く紙風船「スカイランタン」を夜空に放つプロジェクトだ。企画時から参画し、アイデアを出し合ったり準備に地域の皆さんと共に奔走した。

 

「親子でランタンづくり」をサポートしたり大勢が押し寄せる会場の案内役など、青年会議所の皆さんとともに大車輪の活躍となり、初開催のイベントは大盛況だった。

グループ紹介

SSV関西学院 兵庫県三田市

1996年の設立以来、三田市内の地域子ども達や障害者の支援をしている地域団体の活動にボランティアとして参加し、知的障害者への支援を主に、地域の子どもたちの交流の場づくりや学習支援等、青少年育成活動を継続的に実施しているボランティア団体。

平成26年福祉ボランティア功労賞(兵庫県社協)、平成27年さつき賞(三田市)を受賞。
「地域に出てボランティア活動をしてみたい!」そう思った学生のほとんどがSSV関西大学の門をただくといっていいほど関西学院神戸三田キャンパス唯一の地域系ボランティア活動団体だ。

後述の「まなびあ」の活動を主催しているNPO法人場とつながりの研究センターの担当者もSSVの卒業生というように、SSVを卒業した先輩方も地域活動を精力的に行っている方も多く、SSV関西学院の長い歴史と地域に広がるネットワークが強みとなっている。参加している学生よりも共に活動している地域の方々の方がSSV関西学院の歴史をよく知ってくれていて、学生たちの力強いサポート役となってくれている。
2019年3月現在、新3年生を中心に31人のメンバーが活動をしており、活動内容は多岐にわたっている。
地域の居場所づくり「まなびあ」、知的障害の方々とコミュニケーションを取りながら工作や料理を行う「たんぽぽ」、幼稚園の園庭開放「やよいっこ広場」、自然と触れ合る場を作る「プレーパーク」、そして、三田市青年会議所や兵庫県阪神北県民局が主催するイベントボランティア等だ。
31人メンバーでこれほど多種多様な活動が実施できている理由の一つに、SSV関西学院に脈々と受け継がれてきた「高い主体性を持つ」という点にある。自分がやってみたいと興味を持った活動に参加して主体的に関わっていく。関係団体との連絡窓口はその活動の中心メンバーが担っているものの、それ以外の現場で行われることは、参加している学生が自分で考えて自分で関わり、その場で感じたことに工夫や改善を加えながら関係団体の方々と活動する。学生たちの若い力で、地域福祉やまちづくりのイベントを影ながら支える縁の下の力持ちとして活発に活動を続けている。

 

SSV関西学院 代表 大園健太(おおぞのけんた)
関西学院大学理工学部数理学科3年

SSV関西学院 リーダー紹介

兄が高校生だったときにボランティア部に参加していた姿を見て、自分もボランティアに関わってみたいと思うようになり、高校生活からボランティアに積極的に参加しボランティア部の部長も務めてきました。

大学入学後、同じようなボランティア活動に関わってみたいと情報を探し出した時に出会ったのが、ボランティア団体情報誌「春ボラ」でした。「春ボラ」は、新入生が大学生になって初めて目にするボランティア情報です。
この「春ボラ」との出会いがSSVとの出会いでした。
SSVでは、「まなびあ」の活動を中心に関わっています。子ども達と深く関わっていく中で、子ども達それぞれが持っている意思や考えといった子どもの多様な個性の魅力に触れることができ、新たな気づきが多く自分自身も成長させてもらっています。
新3年生となり、SSVの代表を務めることになりました。
20年以上の歴史があるSSV。受け継がれてきたのは参加する学生自身の「自主性」。
興味のあることを自分で見つけて主体性をもって活動していくということです。そのために、SSVは参加したいときに参加できるアットホームなサークルになっています。
SSVは地域の方々と一緒に活動することが中心となっていますので、「人とか関わること」や「相手を尊重して接する」という意識を大切にしながら、ボランティア活動に楽しく精一杯関わっていきたいと思います。

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